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イラン 50リアル紙幣

モハンマド・レザー・パフラヴィ 第8肖像タイプ(1974–1979年)

イラン第二リアル時代を象徴する王政末期の歴史的紙幣

概要

本紙幣は、1974年から1979年にかけて発行された、イラン中央銀行(Bank Markazi Iran / Central Bank of Iran)による50リアル紙幣です。肖像は、イラン最後の国王であるモハンマド・レザー・シャー・パフラヴィ(Mohammad Reza Shah Pahlavi, 在位1941–1979)であり、本タイプは「第8肖像(8th Portrait)」と呼ばれる最終期の肖像デザインです。

この紙幣は、1979年のイラン革命直前に発行されたものであり、王政体制の終焉を象徴する歴史的資料でもあります。紙幣は既に廃止(Demonetized)されており、現在では流通していません。そのため、歴史的価値・収集価値の両面から注目されるコレクターズアイテムとなっています。

基本情報

発行国:イラン(Iran)
発行機関:イラン中央銀行(Bank Markazi Iran)
発行年:1974–1979年
額面:50リアル(50 Rials)
通貨単位:第二リアル(Second Rial, 1932年以降)
サイズ:約135 × 69 mm
材質:紙
形状:長方形
言語:ペルシャ語(表)、英語・ペルシャ語(裏)
透かし:若年期のシャー肖像

表面(Obverse)の詳細解説

1. モハンマド・レザー・シャーの第8肖像

紙幣右側には、軍服姿のモハンマド・レザー・シャーが描かれています。この肖像は「Commander in Chief(最高司令官)」としての威厳を強調する構図であり、王権の正統性と軍事的統制力を象徴しています。

第8肖像は、発行されたシャー肖像シリーズの中でも最終期にあたるもので、成熟した統治者としての姿が強調されています。顔の輪郭、軍装の細部、勲章の描写は非常に精緻で、当時の高度な凹版印刷技術を示しています。

この肖像は、単なる人物画ではなく、国家の統一・近代化・軍事強化政策を象徴する政治的メッセージを内包しています。

2. 中央部のペルシャ絨毯文様

中央部分には、イラン伝統工芸であるペルシャ絨毯の幾何学模様が描かれています。これはイラン文化の誇りを象徴する要素であり、国の芸術的伝統と王政の結びつきを示しています。

精密な装飾模様は偽造防止の役割も果たしており、複雑な線の重なりや多色刷りの組み合わせが高度な印刷技術を物語っています。

3. 表記

ペルシャ語による表記:

بانک مرکزی ایران
(イラン中央銀行)

پنجاه ریال
(50リアル)

これらは当時の公用語であるペルシャ語(Farsi)で記載されています。

裏面(Reverse)の詳細解説

1. キュロス大王の墓(パサルガダエ)

裏面左中央には、アケメネス朝創始者キュロス2世(Cyrus the Great)の墓が描かれています。場所はパサルガダエ(Pasargadae)。このモニュメントは古代ペルシャ帝国の象徴であり、イラン民族の誇りを体現しています。

このデザイン選択には明確な政治的意味があります。パフラヴィー朝は、自らを古代ペルシャ帝国の正統な継承者として位置づけていました。キュロス大王の墓を紙幣に描くことで、王朝の歴史的正当性を強調しているのです。

2. 色彩設計

裏面は緑、青、ピンクを基調とした多色刷りで構成されています。これにより視認性と偽造防止効果が高められています。

透かし(Watermark)

透かしには若年期のシャー肖像が採用されています。光に透かすと浮かび上がるこの肖像は、紙幣の真正性を確認するための重要なセキュリティ機能です。

歴史的背景

1. 石油ブームと近代化政策

1970年代のイランは石油収入の急増により急速な近代化を遂げました。産業化、軍備拡張、西欧化政策が推進され、首都テヘランは急成長しました。

この紙幣は、そうした経済成長期に発行されたものです。

2. 革命前夜

しかし同時に、政治的抑圧や社会的不満も高まり、1979年のイスラム革命へとつながります。革命後、王政関連の紙幣は回収・廃止されました。

そのため、本紙幣は「革命前最後期の王政紙幣」として歴史的価値を持ちます。

収集価値

この50リアル紙幣は以下の理由で収集価値があります:

  • 王政末期の最終肖像タイプ

  • 革命前発行

  • 古代ペルシャ象徴を含むデザイン

  • 廃止済通貨

  • 国際的コレクター需要

保存状態によって価値は大きく変動します。未使用(UNC)は特に希少ですが、使用済みでも歴史的資料価値は高いです。

デザインの象徴性

この紙幣は単なる貨幣ではなく、国家理念の視覚化です。

王の肖像 = 現代統治
キュロスの墓 = 古代帝国
絨毯模様 = 文化的伝統

三層構造で「過去・現在・国家文化」を統合しています。

国際市場での位置付け

イラン革命以前の紙幣は、中東紙幣コレクション分野で非常に人気があります。特にパフラヴィー肖像紙幣は世界的な需要があります。

保存・取り扱いの注意

直射日光を避ける
湿気を避ける
無酸性ホルダーに保管

まとめ

イラン 50リアル紙幣(第8肖像タイプ)は、

・王政末期の歴史的紙幣
・キュロス大王の墓を描いた象徴的デザイン
・革命前の最後期発行
・廃止済みで収集価値が高い

という重要な特徴を持っています。

歴史、政治、美術、通貨制度の変遷を一枚で物語る資料として、非常に魅力的なコレクターズアイテムです。

イラン 50リアル紙幣 モハンマド・レザー・パフラヴィ 第8肖像タイプ(1974–1979年)

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