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ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方

英国のヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(3rd Portrait Crown) は、ヴィクトリア時代後期を代表する最も象徴的な銀貨の一つです。1893年から1900年にかけて発行され、英国帝国の威厳と、英国貨幣史上最高傑作とも言われる「セントジョージとドラゴン」のデザインを兼ね備えています。

しかし近年、その人気と銀価値の高さから、市場には**偽物(フェイクコイン)**も増加しています。

一見すると本物に見える偽物もありますが、細部を比較すると多くの違いが存在します。

本記事では:

  • このコインの歴史的背景

  • デザインの芸術性

  • そして購入前に偽物を見抜くポイント

を詳しく解説します。


歴史的背景

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウンは1893年、ヴィクトリア女王晩年の時代に導入されました。

表面の肖像は彫刻家**Thomas Brock(トーマス・ブロック)**によるもので、ヴェールをまとった年老いたヴィクトリア女王が描かれています。

この肖像は:

  • 安定した統治

  • 英国帝国の権威

  • 国家の継続性

を象徴していました。

裏面には、著名な彫刻家**Benedetto Pistrucci(ベネデット・ピストルッチ)**による「セントジョージとドラゴン」が描かれています。

1817年のソブリン金貨で初めて採用されたこのデザインは、英国コイン史上最も美しいデザインの一つとして知られています。


基本仕様(真贋判定の第一歩)

まず最初に確認すべきなのは物理スペックです。

  • 重量:28.28g

  • 直径:38.61mm

  • 品位:スターリングシルバー(銀92.5%)

  • エッジ刻印:


    “DECUS ET TUTAMEN ANNO REGNI LVI”

  • 打刻品質:


    高圧でシャープな打刻

⚠️ 重量・直径・エッジ刻印が異なる場合は注意が必要です。


デザインの美しさ

表面(オブバース) – オールドヘッド肖像

表面には有名な“Old Head”肖像が描かれています。

特徴:

  • 左向きのヴィクトリア女王

  • 小さなダイヤモンドクラウン

  • 精密なヴェールと衣装

  • ラテン語の称号刻印

本物は非常に立体感が強く、光を当てると彫刻のような深みを感じます。


裏面(リバース) – セントジョージとドラゴン

裏面には有名なセントジョージの図案。

特徴:

  • 馬に乗るセントジョージ

  • ドラゴン退治の場面

  • 流れるような動き

  • 馬・翼・筋肉・剣の精密描写

英国貨幣デザイン最高峰の一つと評価されています。


偽物の増加

近年、このクラウン銀貨には偽物が増加しています。

今回比較した偽物には、いくつかの共通した特徴があります。


本物と偽物の主な違い

1. 強い打刻 vs 弱い打刻

最も重要なポイントの一つです。

本物

  • ディテールがシャープ

  • 深いレリーフ

  • 強い立体感

偽物

  • 全体的に平坦

  • デザインが甘い

  • 表面が滑らかすぎる

👉 偽物は打刻圧が弱く、全体的に「のっぺり」した印象があります。

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー強い打刻 vs 弱い打刻
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー強い打刻 vs 弱い打刻
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー強い打刻 vs 弱い打刻
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー強い打刻 vs 弱い打刻


2. 女王の目

目は非常に重要な判定ポイントです。

本物

  • まぶたがシャープ

  • 自然な目の形

  • 鼻周辺に立体感

偽物

  • 目が膨らんだように見える

  • 線がぼやける

  • 顔が平面的

👉 本物は彫刻的なリアリズムがあります。

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー女王の目
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー女王の目

3. イヤリングのディテール

意外に重要なポイントです。

本物

  • 細くシャープ

  • 独立した形状

偽物

  • 太くぼやける

  • 金属に埋もれたように見える

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ーイヤリングのディテール
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ーイヤリングのディテール

4. オフセンター(打刻ズレ)

画像比較でも確認できます。

偽物

  • わずかに中心がズレている

  • 周囲の余白が均一でない

本物は通常、非常に精密にセンターが合っています。

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ーイヤリングのオフセンター(打刻ズレ)
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ーイヤリングのオフセンター(打刻ズレ)
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ーイヤリングのオフセンター(打刻ズレ)
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ーイヤリングのオフセンター(打刻ズレ)

5. 馬の頭部

裏面の馬は最重要ポイントの一つ。

本物

  • 口や鼻が鮮明

  • 目が自然

  • 筋肉表現が明確

偽物

  • 顔が潰れて見える

  • 口元が不自然

  • 全体的に溶けたような印象

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー馬の頭部
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー馬の頭部

6. 手と剣のグリップ

本物

  • 指が明確に分かれる

  • 強い立体感

偽物

  • 指が潰れる

  • グリップが曖昧

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー手と剣のグリップ
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー手と剣のグリップ

7. ドラゴンの口と舌

本物

  • 口がはっきり開く

  • 舌の形が見える

  • 線が分離している

偽物

  • 口が潰れている

  • 舌が不自然

  • ディテールが混ざる

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ードラゴンの口と舌
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ードラゴンの口と舌

8. ドラゴンの翼

翼は真贋判定で非常に重要です。

本物

  • 翼の区切りがシャープ

  • 馬脚との間に空間がある

  • 深い彫刻線

偽物

  • 翼が厚くぼやける

  • 内部ディテール消失

  • 空間が潰れる

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ードラゴンの翼
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ードラゴンの翼

9. 地面ライン(Ground Line)

細かいですが重要な特徴。

本物

  • 厚く強いライン

  • 深みがある

偽物

  • 細く弱い

  • 立体感不足

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー地面ライン(Ground Line)
ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウン銀貨(1893–1900)の偽物の見分け方ー地面ライン(Ground Line)

10. 表面の質感

本物

  • 自然な銀の光沢

  • シャープな表面

偽物

  • 鈍い質感

  • 粒状感

  • 不自然な色合い



なぜ事前確認が重要なのか

偽物を購入すると:

  • 金銭的損失

  • コレクション価値低下

  • 再販時の問題

  • 市場全体の信用低下

につながります。

特にオンライン購入では、画像から見抜く力が非常に重要です。


購入前のチェックポイント

購入前に必ず確認:

✅ 重量・直径✅ エッジ刻印✅ 目・イヤリング・馬・翼のディテール✅ 表面の立体感✅ 本物画像との比較

複数の違和感がある場合は購入を避けるべきです。


まとめ

ヴィクトリア “オールドヘッド” クラウンは:

  • 英国帝国の歴史

  • 芸術性

  • 高い銀価値

  • 優れた彫刻技術

を兼ね備えた英国貨幣の傑作です。

しかし、その人気ゆえに偽物も増えています。

本物の特徴を理解し、小さな違いを見抜けるようになることが、コレクターにとって非常に重要です。


GoldSilverJapanでは今後も、歴史的コインや偽物判別に関する詳細なガイドを発信し、コレクターが安全に購入できる情報を提供していきます。

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