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【1903年 モロッコ アブドゥルアズィーズ・スルタン 1/4リアル(2½ディルハム)銀貨 PCGS AU50 ロンドン鋳造】

※本商品は、すべてPCGSによる真贋保証済み・認定スラブ入りコインです。トーンや光沢のニュアンスは個体差がありますが、同一グレード(AU50)に準じた品質をお届けします。

🕋 歴史と美が融合するモロッコ銀貨の名品

この銀貨は、**イスラム暦1321年(西暦1903年)にモロッコ王国で発行された1/4リアル(2½ディルハム)**銀貨です。

当時のスルタン(国王)**アブドゥルアズィーズ(Abd al-Aziz, 在位1894–1908)**の治世下に発行され、

**ロンドン造幣局(Royal Mint London)**で鋳造されたことでも知られる、モロッコ近代史を象徴する重要な貨幣のひとつです。

この時代のモロッコは、伝統的なイスラム国家から近代化への過渡期にあり、欧州列強の影響が急速に強まっていました。

アブドゥルアズィーズ王は西洋技術や近代制度を積極的に導入しましたが、国内の保守派からの反発と外国勢力の干渉に苦しみました。

この1/4リアル銀貨は、まさにその「旧世界と新時代の狭間」に生まれた貨幣であり、

イスラム芸術の伝統美と、ヨーロッパの精密鋳造技術の融合を象徴する傑作です。

🌙 コインのデザインと象徴

このコインの魅力は、まずその幾何学的な構成美にあります。

表面(アヴァース)には、イスラム書道によるアラビア文字が円形に配置され、中央に「1321(ヒジュラ暦)」の年号が刻まれています。

その周囲には六芒星(ダビデの星)に似た装飾的な幾何学模様が施されており、

イスラム美術の特徴である無限の調和と神聖な対称性を見事に表現しています。

この六芒星は宗教的シンボルとしてではなく、宇宙の秩序と完全性を表す装飾的文様として採用されており、

アンダルシア・イスラム文化の影響を受けたモロッコらしい洗練されたデザインとなっています。

裏面(リバース)には、同じく優雅なアラビア文字のカリグラフィーが中央に刻まれ、

その周囲を繊細な植物模様が取り囲みます。

全体として、文字と模様が一体化した有機的な構図は、

**イスラム芸術が持つ「神の言葉と自然の調和」**を象徴しています。

⚖️ 技術仕様と鑑定情報

この1/4リアル銀貨は、**銀含有率83.5%(.835シルバー)**で鋳造されています。

重量は約6.25グラム、直径は25ミリメートル。

これは当時の国際通貨体系において、1リアルを約10ディルハムに相当する単位として設計されたもので、

2½ディルハム=1/4リアルという換算に基づいています。

また、このシリーズの多くはモロッコ国内の造幣施設ではなく、

**イギリス・ロンドンの造幣局(Royal Mint)**で鋳造されました。

当時のモロッコには高精度な打刻技術がなかったため、外国の技術協力を受けて製造されたことが特徴です。

このロンドン鋳造版は打刻精度が高く、細部のアラビア文字まで明瞭に残るものが多いため、

収集家の間では特に人気の高いバリエーションとして知られています。

本品は**PCGS(Professional Coin Grading Service)によりAU50(About Uncirculated 50)**の評価を受けており、

流通によるわずかな摩耗こそあるものの、主要デザインと彫刻線は極めて鮮明に残されています。

アラビア文字の輪郭や文様の立体感も見事で、当時の打刻技術の高さを今に伝える貴重な保存状態です。

📜 歴史的背景 ― 帝国の狭間に立つモロッコ

このコインが発行された1903年、モロッコは政治的緊張の中にありました。

アブドゥルアズィーズ王は若くして即位し、近代化を推進するために欧米との外交関係を拡大しましたが、

その結果、フランス・スペイン・イギリスなどの列強がモロッコの内政に干渉するようになりました。

銀貨のロンドン鋳造も、こうした外交依存の象徴の一つといえます。

それは同時に、イスラム圏の伝統的経済圏が西洋資本主義と交わり始めた象徴的な瞬間でもありました。

1906年のアルヘシラス会議、1912年のフランス保護領化へと続く歴史の流れの中で、

この1/4リアル銀貨は、**モロッコの独立期最後の「真の王国貨幣」**として位置付けられます。

そのため、このコインは単なる通貨ではなく、

「イスラム世界の独立」「近代化」「帝国の狭間での文化的アイデンティティ」という三つのテーマを象徴する歴史資料でもあります。

💎 コレクターズ価値と希少性

モロッコの銀貨の中でも、アブドゥルアズィーズ時代のロンドン鋳造シリーズは特に希少性が高いことで知られています。

特に1321年(1903年)発行の1/4リアルは、状態の良い個体が限られており、

PCGSまたはNGCの鑑定スラブ入りで市場に流通するものは極めて少数です。

このAU50グレードのコインは、デザインの完全性と自然なエイジングトーンが美しく共存しており、

歴史的価値と美術的魅力を兼ね備えた理想的な収集グレードといえます。

近年、イスラム貨幣・アラブ銀貨・北アフリカ通貨コレクションの需要が急上昇しており、

特にヨーロッパ鋳造の初期近代イスラム貨幣は、学術的価値・美術的価値・投資的価値の三要素を兼ね備えた分野として再評価されています。

🕌 GoldSilverJapanの保証と理念

GoldSilverJapanでは、すべてのコインにおいて真贋鑑定済み・国際基準スラブ封入・保存環境管理を徹底しています。

本商品もPCGS認定済みで、国際的な信頼性を持つグレーディング保証付きです。

当店は、「世界の貨幣を通して文化と歴史を未来へつなぐ」という理念のもと、

ただの金属片ではなく、人類の記憶と美の結晶としての貨幣をお客様にお届けしています。

✨ 結びに

この1903年モロッコ1/4リアル銀貨は、

イスラムの信仰と芸術、西欧の技術、そして独立への誇りが交差した、歴史の臨界点に刻まれた一枚です。

その幾何学的な美しさと流麗なアラビア書体、そしてロンドン鋳造による精密な仕上がりは、

「過去と未来をつなぐ銀の橋」として今なお輝き続けています。

あなたのコレクションにこの一枚を加えることは、

単なる収集ではなく、文明の交錯を手の中に持つことを意味します。

GoldSilverJapan — 世界の歴史と美を、あなたの手に。

1903年 モロッコ アブドゥルアズィーズ・スルタン 1/4リアル(2½ディルハム)銀貨 PCGS AU50 ロンドン鋳造

17,500¥السعر
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