ベネズエラ 5ボリバル紙幣(1989年)
「CARACAS」表記なしタイプ|第四共和政時代|中央銀行発行
本商品は、1989年にベネズエラ中央銀行(Banco Central de Venezuela)によって発行された、5ボリバル紙幣です。本紙幣は、**第四共和政時代(1953年~1999年)に流通した正規の流通紙幣であり、現在ではすでに失効(デモネタイズ)**しているため、歴史的・収集的価値を持つクラシックバンクノートとして世界中のコレクターから注目されています。
特に本紙幣は、コレクターの間で明確に区別される
「CARACAS」の地名表記が存在しないバリエーション
として知られており、通常タイプとは異なるバリエーション紙幣として評価されています。発行国・発行機関について
発行国は南米の産油国として知られるベネズエラ・ボリバル共和国。
発行機関は同国の中央銀行である**ベネズエラ中央銀行(Banco Central de Venezuela)**です。この紙幣が発行された1989年は、ベネズエラにとって政治・経済の両面で大きな転換期にあたる時代でした。石油収入に依存した経済構造、社会的緊張、通貨価値の変動など、後の通貨改革やデノミネーションにつながる背景を色濃く反映した時代の紙幣といえます。
額面・通貨単位
額面:5 ボリバル(Cinco Bolívares)
通貨単位:旧ボリバル(1879年~2007年使用)
紙幣分類:通常流通紙幣
素材:紙(ペーパー)
この5ボリバル紙幣は、当時の日常生活で広く使用された小額紙幣であり、庶民の経済活動を直接支えていた存在でした。
表面(オブバース)のデザイン解説
表面には、ベネズエラ独立の象徴的英雄2名が描かれています。
左側には
シモン・ボリバル(Simón Bolívar)
南米独立運動の中心人物であり、「解放者(El Libertador)」として知られる歴史的英雄です。ベネズエラのみならず、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビアの独立にも深く関わった人物で、現在のベネズエラ国家アイデンティティの根幹をなしています。
右側には
フランシスコ・デ・ミランダ(Francisco de Miranda)
ボリバルに先立つ独立思想家・革命家であり、ヨーロッパやアメリカの啓蒙思想を南米に持ち込んだ重要人物です。
この二人を並列で描く構図は、思想的独立と武装独立の両方を象徴する非常に意味深いデザインといえます。
紙幣全体は赤系を基調とした多色下地印刷が施され、当時の高度な偽造防止技術と芸術性を兼ね備えています。
表面の表記内容(英訳ベースの意義)
紙幣には以下のような表記が含まれています。
Banco Central de Venezuela(ベネズエラ中央銀行)
Septiembre 21, 1989(1989年9月21日)
Cinco Bolívares(5ボリバル)
Pagaderos al portador en las oficinas del banco
(銀行窓口において持参人に支払われる)
これらの文言は、紙幣が国家信用によって裏付けられた法定通貨であったことを明確に示しています。
裏面(リバース)のデザイン解説
裏面中央には、**ベネズエラ国立パンテオン(National Pantheon of Venezuela)**が描かれています。
この建築物は、シモン・ボリバルをはじめとする国家的英雄たちが眠る霊廟であり、国家の歴史と誇りを象徴する最重要建造物のひとつです。
四隅には額面「5」が配置され、視認性と装飾性を兼ね備えた構成となっています。全体的に落ち着いた色調でまとめられ、表面とは対照的な荘厳さを感じさせます。
「CARACAS」表記なしバリエーションについて
本紙幣最大の特徴のひとつが、
「CARACAS」表記が存在しない点です。
同時期に発行された一部の5ボリバル紙幣には、発行地として「CARACAS」の表記が確認されるものがありますが、本タイプにはそれがありません。この違いは、
印刷ロットの違い
製造仕様の変更
印刷会社によるバリエーション
などに起因すると考えられており、明確な識別ポイントとしてコレクター市場で重視されています。
印刷会社について
本紙幣の印刷を担当したのは、
デ・ラ・ルー社(De La Rue / Thomas De La Rue & Co.)
イギリス・ロンドンを拠点とする、世界的に著名な紙幣印刷会社です。
デ・ラ・ルー社は19世紀から現在に至るまで、世界各国の紙幣・証券・パスポート印刷を手がけており、その品質と信頼性は国際的に高く評価されています。
サイズ・仕様
サイズ:約 156 × 69 mm
形状:長方形
書体:ラテン文字
発行年:1989年
失効日:2006年1月31日
現在は法定通貨としての効力はありませんが、その分純粋な歴史資料・コレクターズアイテムとしての価値が確立されています。
収集価値と評価ポイント
このベネズエラ 5ボリバル紙幣は、
南米独立史を象徴する人物構成
国家的建築物を描いた裏面デザイン
「CARACAS」表記なしの明確なバリエーション
デ・ラ・ルー社製という高品質印刷
すでに失効した旧通貨
といった要素が重なり、世界紙幣コレクター・テーマコレクション双方に適した一枚です。
特に、
「南米紙幣」
「革命・独立史モチーフ」
「バリエーション紙幣」
「中央銀行発行の近代紙幣」
といったテーマでの収集において、非常に相性の良い紙幣といえるでしょう。
まとめ
1989年発行のベネズエラ 5ボリバル紙幣(CARACAS表記なしタイプ)は、単なる旧紙幣ではなく、国家の歴史、英雄、経済の転換期を凝縮した文化的資料です。
現在では二度と新たに発行されることのない第四共和政時代の実物紙幣として、コレクション性・学術性・鑑賞性のすべてを兼ね備えています。
南米紙幣コレクションの充実はもちろん、世界紙幣の多様性を語る一枚として、ぜひ手に取っていただきたい逸品です。

















