ふたつの銀貨が語るアメリカの物語:モルガン・ダラーとピース・ダラー
- GoldsilverJapan
- 4 日前
- 読了時間: 4分
力と静けさ──アメリカの歴史を映す1ドルコイン
コイン収集の世界には、ただの通貨以上の意味を持つ名品があります。**モルガン・ダラー(Morgan Dollar)とピース・ダラー(Peace Dollar)**は、その代表格。どちらもアメリカの歴史を体現し、ドルコインとしての魅力と象徴性を今に伝えています。
この2つの1ドルコインは、まるでアメリカという国の「性格の変化」を描いているかのよう。GoldSilverJapanでは、そんな物語性あるコインこそ、コレクションに加える価値があると考えています。
第1章:モルガン・ダラー ─ 力強さの象徴として生まれた1ドルコイン
1870年代後半。アメリカは南北戦争を終え、急速な工業化と西部開拓の時代に突入していました。そんな中、銀の過剰供給を背景に制定された**ブラン=アリソン法(Bland-Allison Act)**により、大量の銀が政府に買い上げられ、鋳造されることに。
こうして1878年に誕生したのが、モルガン・ダラーという伝説のドルコインです。
設計を手がけたのは、イギリス出身の彫刻師ジョージ・T・モルガン。表面には、従来の神格化された女神ではなく、アメリカ人女性をモデルにしたリアルなリバティ像が描かれています。
🦅 イーグルの躍動感が語る「強さ」
裏面に描かれた**鷲(イーグル)**の姿こそ、このコインの魂です。
翼を大きく広げ、今にも飛び立ちそうなポーズ
足には**矢(戦い)とオリーブの枝(平和)**を同時に持つ
目は鋭く、表情は緊張感に満ちている
まさに「準備万端」のアメリカを象徴する姿。力を備え、平和を望むも、決して無防備ではない。そんな国家の姿勢が、この1ドルコインには込められているのです。
第2章:収集家に愛され続けるモルガン・ダラー
現在でもモルガン・ダラーは、世界中のコレクターから絶大な人気を誇るドルコインです。その理由は以下のとおり:
高い銀含有量(90%銀、0.78トロイオンス)
歴史的背景とデザインの芸術性
多様な発行年・造幣所マーク(ミントマーク)のバリエーション
特に人気のあるモルガン・ダラーの例:
1893-S:発行枚数が少なく、シリーズ中最も希少
1889-CC:カースンシティ造幣局(CCマーク)の人気銘柄
1878年 7羽尾・8羽尾タイプ:初期のバリエーション
1881-S:高品質で初心者にもおすすめ
第3章:1921年──ふたつの時代の交差点
1921年。モルガン・ダラーが最後の年として再登場した年でもあり、新しいピース・ダラーが誕生した年でもあります。
第一次世界大戦の終結を記念して、アメリカ政府は**「平和の象徴」となる新たな1ドルコインの発行を決定。これがピース・ダラー**です。
第4章:ピース・ダラー ─ 静けさと再生の1ドルコイン
ピース・ダラーは、静かな朝の光を思わせるデザインで登場しました。
イーグルは岩の上で休み、空を見つめる
足元にはオリーブの枝だけ──矢はありません
日の出を背景に、未来を見つめる姿
それは、戦いを終えた国がようやく迎えた平和と再生の時代。モルガン・ダラーのような動的な力強さではなく、落ち着きと希望の象徴として、このドルコインは静かに語りかけてきます。
第5章:銀貨コレクションのはじめ方
1. 予算を決める
モルガンやピースの一般的な1ドルコインは、状態によっては数千円〜数万円から入手可能です。
2. 知識を先に(Buy the book before the coin)
レッドブックや専門書で価格や鑑定の目を養いましょう。
3. テーマを持つ
鋳造年コレクション
ミントマーク別(例:CC=カースンシティ)
高グレード収集(MS-63以上)
4. 信頼できる販売元から購入する
鑑定済(PCGSやNGC)のコインが安心。洗浄されたコインやキズの多いものは避けましょう。
第6章:銀貨に刻まれたアメリカの精神
モルガン・ダラーとピース・ダラー。この2枚の1ドルコインは、ただの貨幣ではありません。それぞれがアメリカの時代精神を映す、銀の肖像画です。
モルガン・ダラーは、「行動と野心」
ピース・ダラーは、「平和と希望」
あなたのコレクションに、時代を語るドルコインを加えてみませんか?
GoldSilverJapanより
GoldSilverJapanでは、モルガン・ダラーおよびピース・ダラーを取り揃えております。初心者向けから投資グレード、レアコインまで、あらゆるレベルのコレクターをサポートします。
📩 お持ちのドルコインの鑑定・査定をご希望ですか?📘 初心者向けのおすすめ書籍やコレクションの始め方もご案内可能です💬 最新の在庫やご相談はお気軽にお問い合わせください!

Comments